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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル26巻11号

1992年11月発行

文献概要

特集 ADLとQOL

片麻痺のADLテストの標準化

著者: 八並光信1 園田茂1 木村彰男1 千野直一1 中嶋和夫2 新田収3

所属機関: 1慶應義塾大学病院リハビリテーション科 2東京都心身障害者福祉センター 3東京都府中療育センター

ページ範囲:P.749 - P.753

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 Ⅰ.初めに

 近年,リハビリテーション・サービスのねらいをADLからQOLへと移行する必要性が,しばしば論じられている.これは,従来の画一的なプログラムから,社会生活上のニーズに即した個別プログラムへの転換を図らなければならないことの強調であるとも解釈できる.この変化は,医療そのものが病院(施設)から在宅医療へと発展している現在,単なる能力低下の改善のみでは,退院後の生活の多様なニーズを満たしえないことと密接に関連しているものと考える.

 しかし,QOLを高める要因としてADL能力が重要であることは不変の事実である.最近,評価表そのものの妥当性や信頼性に関する検討も徐々に行なわれており1),リハビリテーション領域においてもADLやQOLの指標となるべき標準化されたテストの開発が本格的に始動しつつある.

 本論文では,このような点を踏まえながら,片麻痺患者の自験データに基づき,今後のADLテストの標準化について考察を加えることにする.なお,本論文では「標準化」を作業仮説に基づく,ADLテストの設計およびサンプリングなどの一連のプロセス全体を指す用語として使用する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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