icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル26巻2号

1992年02月発行

文献概要

特集 内部疾患と理学療法

高血圧症患者に対する運動療法

著者: 小林眞紀1 中田昌敏1

所属機関: 1愛知医科大学運動療育センター

ページ範囲:P.91 - P.95

文献購入ページに移動
 Ⅰ.初めに

 寿命の延長に伴う高齢者の増加,成人病の若年化などにより,高血圧者は約2000万人を越えると言われる.高血圧症は冠動脈疾患,脳血管障害の誘因であり,また,整形外科的疾患などのリハビリテーションを行なう上でも重要な危険因子であるため,軽症であっても適切な方法で血圧をできるだけ正常範囲にコントロールする心要が有る.

 従来の高血圧症の治療法は,薬物療法と減塩,アルコールの摂取制限などの食事療法が一般的である.近年,運動療法の降圧効果に関する作用機序が科学的に明らかにされてきており,実際に降圧効果を期待した運動処方が為されている.

 筆者は開設以来,医師より運動療法の依頼の有った疾患者に対し,運動処方を行なうとともに,健康維持・増進を目的にメディカルチェックを受診した健康人,半健康人のトレーニングを行なっているが,メディカルチェックを受診した一般者にも,WHO高血圧判定基準を満たす者も多い.本稿では,それらの高血圧者に対し実際に運動処方を行なった結果について述べるとともに,運動処方の内容について諸家の研究と比較検討し,高血圧症の運動療法について若干の考察を加えたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?