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文献概要
印象に残った症例
自宅退院と家族の生活
著者: 田代文子1
所属機関: 1等潤病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.195 - P.198
文献購入ページに移動 Ⅰ.初めに
当院のリハビリテーション科では,地域の病院として,基本的に家庭復帰を目指し,入院から退院までの治療や指導・相談,さらに退院後の在宅ケアを含むフォローアップまで一貫した“リハビリテーション”を行ない,「生活の自立」への援助を心がけてきた.
自宅退院が困難である理由は,すでに諸家が述べているように1~4),介護者の有無や健康状態,経済的問題,往環境,病前の人間関係,福祉サービスの不足などが挙げられる.しかし,もっとも重要な問題は,今ある生活の中に障害をもった人を,そのまま組み入れようとすることに有ると思われる.
障害をもった人は,障害を持つという新しい条件の下で生きていくのである.そのような人を迎えた家族にも,障害を持つ人と一緒に生活するという新しい生活が始まるはずである.どのような態度で,どのような相互関係をもち,どのように生活していったら良いのか.家族が皆健康であった今までの生活とは異なる生活を築き,新しい家族機能が再編成されるべきである.
ここでは,障害をもつ人を自宅に迎えるに当たって,新しい家族生活を再編成した2症例について,若干の私見を加え紹介する.
当院のリハビリテーション科では,地域の病院として,基本的に家庭復帰を目指し,入院から退院までの治療や指導・相談,さらに退院後の在宅ケアを含むフォローアップまで一貫した“リハビリテーション”を行ない,「生活の自立」への援助を心がけてきた.
自宅退院が困難である理由は,すでに諸家が述べているように1~4),介護者の有無や健康状態,経済的問題,往環境,病前の人間関係,福祉サービスの不足などが挙げられる.しかし,もっとも重要な問題は,今ある生活の中に障害をもった人を,そのまま組み入れようとすることに有ると思われる.
障害をもった人は,障害を持つという新しい条件の下で生きていくのである.そのような人を迎えた家族にも,障害を持つ人と一緒に生活するという新しい生活が始まるはずである.どのような態度で,どのような相互関係をもち,どのように生活していったら良いのか.家族が皆健康であった今までの生活とは異なる生活を築き,新しい家族機能が再編成されるべきである.
ここでは,障害をもつ人を自宅に迎えるに当たって,新しい家族生活を再編成した2症例について,若干の私見を加え紹介する.
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