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脳性運動障害児の歩行における運動強度と全身持久力
著者: 福田光重1 福谷保1 石田直章2 赤滝久美3 三田勝己4
所属機関: 1愛知県立第一青い鳥学園 2名古屋自由学院短期大学 3愛知県心身障害者コロニー 4愛知県心身障害者コロニー研究室
ページ範囲:P.199 - P.203
文献購入ページに移動運動は,理学療法において主な治療・訓練手段の一つである.なかでも全身持久力の向上に際しては,運動の強度,時間,頻度の三つの要因を設定する必要がある.特に,運動強度は訓練効果を決定するもっとも重要な因子とされる1).運動強度のもっとも良い指標は酸素摂取量(VO2)であるが,VO2,を測定するためには繁雑な機器の設定や高度・複雑な分析を必要とし,臨床場面での実践には困難を伴う.その点心拍数の(HR)は,Vo2と直線的関係があり,かつ測定が容易である.そこで,HRを理学療法施行時の運動強度の指標として用い,これを監視することが広く行なわれている.一般に,HRとVo2の相関関係を求める実験では,トレッドミルや自転車エルゴメーターが運動負荷として用いられている.しかし,運動負荷の種類によって参加する筋群に差があるため,両負荷ともHRとVo2との間には直線関係があるものの細部においては必ずしも一致しない2,3).脳性運動障害児についても,HRとVo2の相関関係についてトレッドミルや自転車エルゴメーターを用いた報告がみられる4~6).しかし,脳性運動障害児では,対象となる筋自体が障害をきたしていることもあり,運動負荷の種類によるHRやVo2などの生理的反応の差は大きいと考えられる.全身持久力の向上を目的とした脳性運動障害児の歩行訓練では,床歩行という運動負荷を使うことがしばしばある.
本研究の目的は,床歩行を用いて痙直型脳性運動障害児におけるHRとVo2の相関関係を求め,さらに,この運動負荷様式が被検児の全身持久力の向上に有効な負荷となりうるかどうかを検討することである.
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