icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル26巻4号

1992年04月発行

文献概要

特集 高齢者のスポーツおよびレクリエーション

スポーツとレクリエーション

著者: 井筒次郎1

所属機関: 1日本体育大学教職教育

ページ範囲:P.218 - P.223

文献購入ページに移動
 Ⅰ.初めに

 人口構造や産業構造の変化,技術革新,都市化の進展,生活水準の上昇は新たにさまざまな問題を顕在化した.

 特に,省力化に伴う運動不足はスポーツの,単調な労働や精神的ストレスの蓄積はレクリエーションの必要性を意識させ,所得水準の上昇による物質的豊かさはレジャーの大衆化,多様化,大型化をもたらした.さらに遊びの変質や子どもの身体のおかしさは,遊びのもたらす価値を再認識させた.そして,余暇の在りかたや充実が生活福祉との関連で,生活の重要な位置を占めるようになってきた.

 スポーツ,レクリエーション,レジャー,遊びはともに余暇に行なわれる活動である.本稿の課題はこれらの意味や内容,またそれらが有する機能,相互の関係などについて理解を深めることにある.

 すでにこれらの課題については,多くの研究者によってさまざまな論議が繰り返されている.ところが,議論百選で未だ共通見解をもてないのが実情のようである.生活習慣や文化の違いから,また時代の流れの中でさまざまに用いられてきたという経緯もあり,そもそも定義すること自体不可能であるとの見解もみられる.ことばの違いは意味の違いを示しているが,われわれはこれらの用語を同義に解釈したり用いたりしている場合もある.

 用語の不明確さは概念の流動性を示すものでもあり,流動的なものをあえて定型化することに危険を感じないでもないが,定型化に配慮しつつ,これまでの語義や定義にみられる共通性を最大公約数的に整理しながら,若干の考察を加えることとしたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?