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特別寄稿
理学療法・作業療法教育の「自己点検・評価」
著者: 鈴木明子1 長澤弘2
所属機関: 1札幌医科大学衛生短期大学部 2北里大学東病院リハビリテーション部
ページ範囲:P.339 - P.343
文献購入ページに移動理学療法士および作業療法士の日本における養成校設立されその教育が出発したのは,1963年のことであった,そして現在「量から質の時代」と言われ,1993年には国内で初めて四年制大学教育コースが広島大学医学部に学科新設という形で実現することとなった.他の幾つか大学でも四年制を新設するべく準備が進められている現状でもあり,理学療法士・作業療法士の教育形態は大きく変革しようとしている.
文部省は1947年の学校教育法の制定以来,大学設置基準(1956年)を16回改正してきた.1984年には臨時教育審議会を設置し,そこから改革提案が出され,①生涯学習体系への移行,②個性化,多様化の促進,③新しい時代への適切な対応,という三つの視点を提示した.1987年には大学審議会をもつこととなり,大学設置基準を弾力化し,各大学が多様で特色の有るカリキュラムの設計をすることになった.さらに,1991年には一般教育と専門教育の時間的区切りが各大学の判断に任せられることになった(文部広報890号).それに加えて,各大学が自らの責任で教育研究の不断の改善を目指すために,「自己点検・評価」を行なっていくことが課せられるようになった.
理学療法士・作業療法士の教育は高等教育であり,各大学や養成校においても「自己点検・評価」に関して議論が為されていくべきであり,その具体的方法について検討しなければならない時期にさしかかっていると言っても過言ではないであろう.これらについての我が国の教育分野における報告や文献は,ほとんど無いと言ってもよい現状である.そこで筆者らは,理学療法士・作業療法士教育における教員の「自己点検・評価」についてその重要性と必要性について述べ,さらに臨床実習指導の場でも同様な評価表が確立されることを望み,論述していく.
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