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特集 老人保健施設の理学療法
老人保健施設におけるショートステイ・デイケアの試み
著者: 柴田ゆかり1 酒向俊治2 若生和彦2 渡辺真2 和田守男1
所属機関: 1松波総合病院老人保健施設 2松波総合病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.524 - P.528
文献購入ページに移動昨1991年7月老人保健審議会は,老人保健施設の在りかたについて意見具申を行なった.その中で,老人保健施設の性格は基本的に家庭復帰を目指すものとし,当初の「通過施設」としての理念を堅持している.しかし,入所者の長期滞在については,現状においてはある程度やむをえないとし,家庭復帰を進める体制整備を指摘している.また,老人保健施設の機能および運営の在りかたとしては,入所者を単に家庭に帰すだけでなく,ショートステイ,デイケアの提供などにより,ホームヘルプサービスなどの在宅保健福祉サービスなどとの連携とあいまって在宅ケアの拠点としての役割を果たすことを強く求めている1).
当松波総合病院老人保健施設(以下,当施設と略.)においても,地域における老人医療および福祉サービスのキーステーションとして存在価値が認められるような施設を目指し,1988年8月の開設当初より,ショートステイ,デイケアをスタートさせ,さらに1992年1月から笠松町よりの委託により在宅介護支援センターを設置し,要介護老人やその家族に対し,その多様なニーズに答えるべく支援体制の充実に努めてきた.
今回は,ショートステイとデイケアとを中心に,当施設のこれまでの取り組みや地域の現状について若干の私見を交えて報告することとする.
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