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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル26巻8号

1992年08月発行

文献概要

講座 障害者・高齢者のための住宅・2

住宅増・改築のための評価

著者: 相良二朗1

所属機関: 1兵庫県立総合リハビリテーションセンター生活科学課

ページ範囲:P.543 - P.548

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 Ⅰ.初めに

 住宅の増・改築では,いろいろな職種の人とのかかわりが必要となり,異専門家相互のコミュニケーションがうまく取れなくてはならない.医療あるいはリハビリテーションとはこれまで無縁であったことの多い建築関係者に対し,クライアントの身体機能状態,障害の概要などを明確に伝え,改造の目的を理解してもらわなければならない.あるいは,家族に対しても,障害の正しい理解と適切な介護方法を指導しなくてはならない.介護機器や自助具,補装具などの適用について質問されることもある.つまり,機能回復訓練の領域から少し離れた範疇についての知識が要求され,在宅という環境条件での生活動作の評価が予測を含めて要求される.

 住宅改造の評価や処方は,北米や欧州では作業療法士の領域となっている.しかし,我が国では社会保障制度の違いもあり,日常生活動作面での評価から作業療法士に,基本的な身体能力や移動能力の面から理学療法士に期待がかけられている.また,地域リハビリテーションの最前線である保健センターや老人保健施設などでは理学療法士か作業療法士のどちらか一方しかいないところが多く,否応無く‘多才’を発揮しなくてはならない.

 つまり理学療法士が,クライアントの機能面での評価とその住宅の評価を基に,その家族の状態を配慮して経済性の高い改造案を設計し,工務店などの建築関係者に説明しなくてはならない.本講座では,この「身体」,「建築」,「家族」および「経済」の四つの面での評価について解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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