文献詳細
文献概要
特集 福祉機器
1.車いす―2.手動車いす
著者: 沖川悦三1
所属機関: 1神奈川県総合リハビリテーションセンターリハビリテーション工学研究室
ページ範囲:P.583 - P.586
文献購入ページに移動 Ⅰ.初めに
手動車いすと聞けば,読者の皆様は何を想像されるであろうか.名称から考えれば「手を使って動かす車輪付きのいす」であろうし,それぞれの方がかかわっておられる疾患や障害と関連させて考えれば「下肢による歩行機能に障害をもつ方のための移動用具」であろう.また,補装具・福祉機器の中で最初に思い付くのはおそらく車いすではなかろうか.
どちらにしても車いすは福祉機器の中でもっともポピュラーな機器の一つであり,下肢障害者にとってはなくてはならない機器である.したがって車いすは,時には革靴になり,スニーカーになり,時には作業いすになり,安楽いすにもならなければならない.
しかし,現状の車いすの構造はさまざまな要因の制約を受け,約60年前に現在の折りたたみ機構が製品化されて以来,基本的には変化していない.それでも多くの臨床家や研究者,そして車いすメーカーの努力によりオーダーメイドによる対応で総合的な性能を向上させ,フレームの材質や各部パーツの性能も少しずつ進歩してきている.
そこで本稿では日本における最近の車いす開発動向,特にモジュール型車いす(後で解説する),使用素材の材質などについて実際に活用できるものを紹介し,将来に向けての展望を述べてみない.
手動車いすと聞けば,読者の皆様は何を想像されるであろうか.名称から考えれば「手を使って動かす車輪付きのいす」であろうし,それぞれの方がかかわっておられる疾患や障害と関連させて考えれば「下肢による歩行機能に障害をもつ方のための移動用具」であろう.また,補装具・福祉機器の中で最初に思い付くのはおそらく車いすではなかろうか.
どちらにしても車いすは福祉機器の中でもっともポピュラーな機器の一つであり,下肢障害者にとってはなくてはならない機器である.したがって車いすは,時には革靴になり,スニーカーになり,時には作業いすになり,安楽いすにもならなければならない.
しかし,現状の車いすの構造はさまざまな要因の制約を受け,約60年前に現在の折りたたみ機構が製品化されて以来,基本的には変化していない.それでも多くの臨床家や研究者,そして車いすメーカーの努力によりオーダーメイドによる対応で総合的な性能を向上させ,フレームの材質や各部パーツの性能も少しずつ進歩してきている.
そこで本稿では日本における最近の車いす開発動向,特にモジュール型車いす(後で解説する),使用素材の材質などについて実際に活用できるものを紹介し,将来に向けての展望を述べてみない.
掲載誌情報