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特集 福祉機器
6.福祉機器提供システムと情報システム―3.福祉機器の支給体系
著者: 島影俊英1
所属機関: 1星ヶ丘厚生年金病院医療社会事業部
ページ範囲:P.619 - P.626
文献購入ページに移動 Ⅰ.初めに
近年,在宅医療,在宅介護が叫ばれる中で在宅での患者の自立を助け,介護者の介護負担を軽減する福祉機器への関心は高まるばかりである.昨今では福祉機器の展示コーナーや展示会が方々で開かれ機器に触れる機会が増してきているが,なお患者家族が必要としている情報を得ることは難しい状況にある.
ではいったい,患者や家族が必要としている情報は何か.どんな機器があるのか,どのような効果があるのか,どのように使うのか,どこで購入するのか,いくらかかるのか.その中でも特に得にくい情報が,福祉機器を購入する際にどの程度の公的な給付が得られるのか,また,その手続きはどうすればよいのかといったことであり,福祉機器に精通した医師や看護婦,リハビリテーションスタッフでも給付制度を体系だって理解する人は少ない.公的な給付を利用するに当たっては患者や家族の申請を建前としており,知らないで不利益を被(こうむ)るのは彼ら自身である.
筆者が勤務する病院では週1回ブレースクリニックを行なっており,医療ソーシャルワーカー(以下,MSWと略.)は制度利用を援助する立場から長年これに深くかかわっている.その経験から,本稿では福祉機器を給付する制度ならびに公的に給付される機器について紹介すると同時に,その制度の活用の実際について利用する側の立場から解説を加えたい.
近年,在宅医療,在宅介護が叫ばれる中で在宅での患者の自立を助け,介護者の介護負担を軽減する福祉機器への関心は高まるばかりである.昨今では福祉機器の展示コーナーや展示会が方々で開かれ機器に触れる機会が増してきているが,なお患者家族が必要としている情報を得ることは難しい状況にある.
ではいったい,患者や家族が必要としている情報は何か.どんな機器があるのか,どのような効果があるのか,どのように使うのか,どこで購入するのか,いくらかかるのか.その中でも特に得にくい情報が,福祉機器を購入する際にどの程度の公的な給付が得られるのか,また,その手続きはどうすればよいのかといったことであり,福祉機器に精通した医師や看護婦,リハビリテーションスタッフでも給付制度を体系だって理解する人は少ない.公的な給付を利用するに当たっては患者や家族の申請を建前としており,知らないで不利益を被(こうむ)るのは彼ら自身である.
筆者が勤務する病院では週1回ブレースクリニックを行なっており,医療ソーシャルワーカー(以下,MSWと略.)は制度利用を援助する立場から長年これに深くかかわっている.その経験から,本稿では福祉機器を給付する制度ならびに公的に給付される機器について紹介すると同時に,その制度の活用の実際について利用する側の立場から解説を加えたい.
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