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特集 患者の人権
インフォームド・コンセント
著者: 篠田知璋1
所属機関: 1立教大学一般教育部保健体育科
ページ範囲:P.4 - P.8
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informed consent(以下,ICと略.)ということばが医療行為に際して,医療者側と患者側に取り交わされるようになったのは最近であるが,発生の地は米国である.“医師が計画する全ての医療行為の一つ一つに対して患者が了解・納得し,承諾を得た上で検査,処理,投薬そして手術が行なわれなければならない”.ということがICである.
弁護士が人口比にして我が国の60倍も多い米国の事情もあり,米国では医療過誤の裁判が日常茶飯事と言われるが.その際に,ICが取り交わされていなかった場合には医師側が敗訴する結果がたいへんに多いので,ICが必須のこととなったわけである.考え方によっては,ICは医師側の自衛手段とも言える.我が国にも最近ICの概念は取り入れられ,実施されつつあるが,我が国の国情に合致したICがあるのか,また,この概念を如何に把え,実践するかについて,私なりの意見を述べてゆく.
informed consent(以下,ICと略.)ということばが医療行為に際して,医療者側と患者側に取り交わされるようになったのは最近であるが,発生の地は米国である.“医師が計画する全ての医療行為の一つ一つに対して患者が了解・納得し,承諾を得た上で検査,処理,投薬そして手術が行なわれなければならない”.ということがICである.
弁護士が人口比にして我が国の60倍も多い米国の事情もあり,米国では医療過誤の裁判が日常茶飯事と言われるが.その際に,ICが取り交わされていなかった場合には医師側が敗訴する結果がたいへんに多いので,ICが必須のこととなったわけである.考え方によっては,ICは医師側の自衛手段とも言える.我が国にも最近ICの概念は取り入れられ,実施されつつあるが,我が国の国情に合致したICがあるのか,また,この概念を如何に把え,実践するかについて,私なりの意見を述べてゆく.
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