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文献概要
特集 患者の人権
障害者の人権を考える―いま,医療界に望むこと
著者: 滝沢武久1
所属機関: 1(社)全国精神障害者家族会連合会
ページ範囲:P.29 - P.32
文献購入ページに移動 1「人間らしさを求めて」
「普通に生きたい」と「人間らしく生きたい」.前者は朝日新聞厚生文化事業団主催の精神障害(回復)者たちの集りのタイトルであり,後者はTBSの精神保健法成立前夜とも言うべき時期の報道特集のタイトルであった.両者とも考え抜かれた後に付けられたものであるが,それだけに精神障害者がおかれた現状が,いかに非人権的,福祉対象であることかを示している.今回私に与えられたテーマは「患者の人権について精神医療界に望むこと」であるが,残念ながら我が国では「人権」ということばの響きや解釈がどうしても固く,抽象的な,あるいは一方的権利主張的な印象をもち,素直に受け取られない向きがあることを考え,私は素朴な想いを記したい.
「普通に生きたい」と「人間らしく生きたい」.前者は朝日新聞厚生文化事業団主催の精神障害(回復)者たちの集りのタイトルであり,後者はTBSの精神保健法成立前夜とも言うべき時期の報道特集のタイトルであった.両者とも考え抜かれた後に付けられたものであるが,それだけに精神障害者がおかれた現状が,いかに非人権的,福祉対象であることかを示している.今回私に与えられたテーマは「患者の人権について精神医療界に望むこと」であるが,残念ながら我が国では「人権」ということばの響きや解釈がどうしても固く,抽象的な,あるいは一方的権利主張的な印象をもち,素直に受け取られない向きがあることを考え,私は素朴な想いを記したい.
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