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特集 健康増進と理学療法
肥満に対する理学療法
著者: 中田昌敏1
所属機関: 1愛知医科大学運動療育センター
ページ範囲:P.745 - P.750
文献購入ページに移動飽食の時代・生活の機械化時代などさまざまな形容が用いられる現代では,小児・成人とも男女を問わず,肥満者の増加傾向が個人の健康問題,延いては社会問題として取り上げられてきている.従来,医療機関で行なう肥満に対する治療の対象者は,いわゆる成人病を合併している有疾患者もしくは,高頻度でそれらが予想される高度の肥満者であった.
最近では,個人の健康増進意識の高まりや成人病検診・労働者健康保持増進サービスの一環である健康測定などの啓蒙・普及により成人病予備軍とも言える人々が病院を訪れる機会が増加し,医療の一分野としての役割を担うことが増加するものと予想される.
筆者らの施設は,厚生省健康増進施設認定・労働省労働者健康保持増進サービス機関認定を受けるなど,5年前より医療施設の中で,健康人・半健康人を対象とした健康づくり活動を展開してきた.肥満に対する取り組みも,いろいろな方法でその対策を試みている.
本稿では肥満に対する指導方法の概要を述べ,理学療法領域が医療から保健・福祉に拡大されつつある中で,健康増進という範疇に理学療法の果たすことができる役割を考察する.
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