icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル27巻12号

1993年12月発行

文献概要

特集 脳性麻痺児の生活指導

無限の可能性を信じ家族とともに歩む

著者: 伊藤和枝

所属機関:

ページ範囲:P.832 - P.832

文献購入ページに移動
 1984年10月15日,私たちに三人目の子が生まれた.長男9歳長女6歳のときである.私の兄の突然の死がこの子を生む決心をさせ,苦しくても一歩一歩歩いていこうという思いを込めて歩美と名付けた.年の離れた兄姉・家族みんなで歩美を育てていく運命だったのかもしれない.

 歩美はミルクののみが悪く,首すわり,注視が無く,やわらかい体でいつもうつろな目をして,まわりに全然興味を示さない子だった.検査をしてもどこも異常は無く,その結果に喜びながら,じゃあ歩美はどうしてこうなの?と思っていたとき「脳性麻痺ですね.」と医師から告げられた.私は歩美を抱きかかえ泣きながら白いカーテンをくぐった….歩美6か月のときである.それから訓練の日々が始まった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?