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プログレス
抗てんかん薬最近の進歩
著者: 君島健次郎1 田辺恭子1
所属機関: 1鳥取大学医学部薬理学教室
ページ範囲:P.117 - P.117
文献購入ページに移動 てんかんは古くから知られた病気であるが,1912年にフェノバルビタールの優れた有効性が初めて報告され,現在なお最も重要な抗てんかん薬として臨床使用されている.その後1938年に発見されたフェニトインは,動物実験から理論的に導入された最初の抗てんかん薬であり,その後の新しい抗てんかん薬開発のための重要な基礎となった.
このような抗てんかん薬発見の歴史を受けて,その後次々と新しい化学構造や作用機序をもつ薬物が開発されたが,バルビツール化合物,ヒダントイン誘導体,サクシミド誘導体や直鎖系のアセチルウレア誘導体などはすべて共通の化学構造をもつものであり,これらを基本としてさらに合成,開発が続けられてきたが,1963年に作られたバルプロ酸は上記の化学構造とまったく異なる低級脂肪酸であり,その後の新しい化学構造をもつ抗てんかん薬の出現の嚆矢となった.
このような抗てんかん薬発見の歴史を受けて,その後次々と新しい化学構造や作用機序をもつ薬物が開発されたが,バルビツール化合物,ヒダントイン誘導体,サクシミド誘導体や直鎖系のアセチルウレア誘導体などはすべて共通の化学構造をもつものであり,これらを基本としてさらに合成,開発が続けられてきたが,1963年に作られたバルプロ酸は上記の化学構造とまったく異なる低級脂肪酸であり,その後の新しい化学構造をもつ抗てんかん薬の出現の嚆矢となった.
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