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特集 障害者と生活指導
脊髄小脳変性症患者の生活指導
著者: 小林量作1 松井佳子1 金子功一1 石川厚1
所属機関: 1国立療養所西小千谷病院理学診療科
ページ範囲:P.177 - P.182
文献購入ページに移動生活指導という語は,まだ,曖昧に使われており,明確に一致した定義は無いように考える.福屋1)は在宅身体障害者の生活指導の特性を,「既存の生活を変革するため」・「リハビリテーションの目標達成のための土台,自己実現の基盤作り」とし,生活構成要素の8項目と環境要素の4項目の評価を挙げている.さらに,生活指導を広義にとらえれば,障害者が自立生活を送るために必要な生活技術のすべてが含まれると考えてもよいだろう2).リハビリテーションにおける生活指導の概念は総括的なものであり,在宅生活のQOL(Quality of life)の向上を目的に指導がなされるものと考える.
この小論では,脊髄小脳変性症(以下,SCDと略.)の生活指導の目標について述べた後,当院への入院,通院を通じて家庭訪問による生活指導を実施できた2例を紹介し,SCDの生活指導上の特性および留意点について理学療法士の視点からまとめてみたい.
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