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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル27巻4号

1993年04月発行

文献概要

特集 脊髄損傷

脊髄損傷者の車いす処方

著者: 河添竜志郎1 神沢信行1 田村信行2

所属機関: 1兵庫県立総合リハビリテーションセンター 2兵庫県立総合リハビリテーションセンター機能回復訓練課

ページ範囲:P.235 - P.240

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 1初めに

 脊髄損傷者にとって下肢機能の代償として車いすを手に入れることは,社会生活に復帰する上においても重要なことである.その車いすの導入は,脊髄損傷者が理学療法を行なう上で最も重要なことであり,最良の車いすを手に入れることができるかどうかによって,その後の社会生活が影響を受けると言っても過言ではない.

 ここで述べる最良の車いすとは,もちうる身体機能を最も発揮できるものであり,使用目的,使用環境に適した車いすである.その車いすを脊髄損傷者は足として動かし,いすとして座り,生活の基盤とする.

 そのような車いすを処方するために,処方する立場のものは,充分な情報の下に適切な知識を有し,的確な判断で処方を行なうべきである.必要とされる情報を具体的にみると,

 ①身体機能の適切な評価と変化の予測

 ②車いす使用能力の適切な評価と予測

 ③車いす動作訓練の適切なプログラムと実施

 ④処方目的の明確化

 ⑤車いす使用者のニーズの把握

 といった点が挙げられる.そこでこれらを基に考えてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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