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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル27巻5号

1993年05月発行

文献概要

入門講座 筋力増強訓練・5

健常高齢者に対する筋力増強訓練

著者: 中川法一1 池田聖児2 森實徹1

所属機関: 1市立吹田市民病院理学診療科 2大阪府立成人病センターリハビリテーション室

ページ範囲:P.331 - P.336

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 Ⅰ初めに

 日本は現在,欧米諸国をはじめいかなる国々も民族も経験したことの無い猛烈な早さで超高齢化社会を迎えようとしている.約30年先には4人に1人が老人である社会が現実のものになると言われ,その対応がマスコミに先導されるように各界から叫ばれるようになった.

 われわれ理学療法士も身体運動機能のエキスパートとして,これら高齢者に対する健康問題に取り組む時期であると言えよう.

 Shephard1)はその著者の中で「きわめて適度のトレーニングを続ければ,生理学的運動機能の退行を平均して8~9年阻止できることは確かである.このようなトレーニングは,死亡率にはわずかな影響しか与えないにしても,老齢の末期を重度廃疾者として過ごさなければならない人の数を,2/3程度まで減ずることができる.」と高齢者に対する運動の重要性を述べており,QOLの観点からもいつまで,いかに動けるかが大きなポイントであることは言うまでもない.したがって筋力を向上させるということは,筋そのものが運動の効果器であるがゆえに非常に意義深いものである.本論文では高齢者の筋について,生理学的解釈,増強訓練リスク,増強方法について最近の知見を交え概説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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