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文献概要
入門講座 筋力増強訓練・6
小児における筋力増強訓練
著者: 新田通子1
所属機関: 1神奈川県立こども医療センター訓練課
ページ範囲:P.399 - P.402
文献購入ページに移動 Ⅰ初めに
当センターは,小児専門病院,肢体不自由児施設,重症心身障害児施設,周産期医療部などを併せもっている.理学療法の対象児の年齢は,0歳から20歳前後に及ぶ.
疾患としては,整形外科疾患,神経内科疾患,遺伝科疾患,内分泌科疾患,精神科疾患,血液科疾患,循環器科疾患,脳外科疾患,新生児科疾患等々多岐にわたり,合併症を有する児も多い.
かなり以前のことになるが,1年間の外転装具装着後のペルテス病患児において,歩行開始前の筋力増強訓練では,股関節周囲筋筋力“5”と評価し,歩行に大きな異常は出ないとの予想に反し,明らかなTrendelenburg歩行が見られ,当惑した経験がある.
この苦い経験は,以後の筋力増強訓練の考え方を大きく転換した下地となっている.
そしてもう一つの経験は,「筋ジストロフィーの患児たちは,筋力がかなり低下してきても,それが全体的にバランスのとれた筋力低下なら,ある程度の筋力までは歩行が可能である」ということである.これらの経験は「筋力と歩行能力」との関係を再認識させるものであった.
当センターは,小児専門病院,肢体不自由児施設,重症心身障害児施設,周産期医療部などを併せもっている.理学療法の対象児の年齢は,0歳から20歳前後に及ぶ.
疾患としては,整形外科疾患,神経内科疾患,遺伝科疾患,内分泌科疾患,精神科疾患,血液科疾患,循環器科疾患,脳外科疾患,新生児科疾患等々多岐にわたり,合併症を有する児も多い.
かなり以前のことになるが,1年間の外転装具装着後のペルテス病患児において,歩行開始前の筋力増強訓練では,股関節周囲筋筋力“5”と評価し,歩行に大きな異常は出ないとの予想に反し,明らかなTrendelenburg歩行が見られ,当惑した経験がある.
この苦い経験は,以後の筋力増強訓練の考え方を大きく転換した下地となっている.
そしてもう一つの経験は,「筋ジストロフィーの患児たちは,筋力がかなり低下してきても,それが全体的にバランスのとれた筋力低下なら,ある程度の筋力までは歩行が可能である」ということである.これらの経験は「筋力と歩行能力」との関係を再認識させるものであった.
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