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プログレス
MRSを用いた筋代謝・1
著者: 吉川宏起1
所属機関: 1関東労災病院放射線科
ページ範囲:P.485 - P.485
文献購入ページに移動 1.初めに
NMR(nuclear magnetic resonance)現象を用いた非侵襲的な計測が行なえる技術としてMRI(magnetic resonance imaging)とMRS(magnetic resonance spectroscory)とがある.
すでに我が国においても約1600台以上のMR装置が稼動していると言われているが,医療施設においてルーチン検査として普及しているのは前者のMRIであって,それも主として中枢神経系疾患を対象とした形態的診断が行なわれている.
後者のMRSによる機能的診断が臨床の場で広く行なわれていないのが現状であるが,この原因の一つとしてMR装置数やその稼働率が検査の需要に追いつかないことがある.またもう一つの原因は,評価できる説得力のあるMRSのデータを得る技術操作が簡素化されていないことである.すなわち,検査する者によって再現性のあるデータが容易かつ繰り返して得られるまでには至っていないのである.
本稿ではMRSの測定技術が臨床の場でルーチン検査となるためにぜひとも必要となる技術について,われわれの経験した31Pを対象としたMRSの具体例を挙げながら,今回と次回の2回に分けて述べていくことにする.
NMR(nuclear magnetic resonance)現象を用いた非侵襲的な計測が行なえる技術としてMRI(magnetic resonance imaging)とMRS(magnetic resonance spectroscory)とがある.
すでに我が国においても約1600台以上のMR装置が稼動していると言われているが,医療施設においてルーチン検査として普及しているのは前者のMRIであって,それも主として中枢神経系疾患を対象とした形態的診断が行なわれている.
後者のMRSによる機能的診断が臨床の場で広く行なわれていないのが現状であるが,この原因の一つとしてMR装置数やその稼働率が検査の需要に追いつかないことがある.またもう一つの原因は,評価できる説得力のあるMRSのデータを得る技術操作が簡素化されていないことである.すなわち,検査する者によって再現性のあるデータが容易かつ繰り返して得られるまでには至っていないのである.
本稿ではMRSの測定技術が臨床の場でルーチン検査となるためにぜひとも必要となる技術について,われわれの経験した31Pを対象としたMRSの具体例を挙げながら,今回と次回の2回に分けて述べていくことにする.
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