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原著
理学療法学科学生の臨床実習成績に関する研究―特に教育評価の妥当性と信頼性について
著者: 宮本省三1 阿部敏彦12 沖田一彦1 板場英行1
所属機関: 1高知医療学院リハビリテーション科 2海里マリン病院理学療法部
ページ範囲:P.499 - P.503
文献購入ページに移動理学療法教育課程における臨床実習は,一定の適性や能力をもった学生に臨床実践を経験させ,それによって学生の行動変容を図るという教育的成果を目指す活動である.したがって,その教育評価は,学生の行動変容の結果である臨床実践能力の向上を提示するものでなければならない.なぜなら,学生の臨床実践能力の向上は臨床実習における教育目標そのものであり,教育評価とは教育目標が達成されているかどうかを確認する営みにほかならないからである1).
しかし,ここで問われている教育評価や臨床実践能力に関する問題を臨床教育の中心課題として位置づけ,その相互関係を抽象的な概念論でなく具体的で実証性のあるデータ分析によって明らかにしようとした試みはきわめて少ない.
そこで,今回は,臨床実習指導者から提出された臨床実習報告書の評定点に統計処理を加え,教育評価の妥当性と信頼性を分析するとともに,臨床実習前後の学業成績との関連性を検索し,今後の臨床教育において考慮すべき幾つかの知見を得たので報告する.
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