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特集 整形外科疾患と理学療法
手の外傷に伴う反射性交感神経性ジストロフィーに対する理学療法
著者: 伊藤義広1
所属機関: 1広島大学医学部附属病院理学療法部
ページ範囲:P.538 - P.544
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反射性交感神経性ジストロフィー(以下RSD;Reflex Sympathetic Dystrophy)は1864年にMitchellがアメリカ独立戦争で銃創を受けた兵士を調査した報告の中で“カウザルギア(灼けつくような痛み)”という用語を用いたとされており1),以来同様の症候はいろいろな病名で報告されている1~5).
RSDは外傷や手術などをきっかけに受傷部以外にまで及ぶ“灼けつくような痛み”を主訴とし,その激烈な疼痛は“ペンチでねじられている”,“万力でグジャッと潰される”などさまざまに表現される.さらに腫脹,発赤,皮膚温の上昇と運動障害などの特徴的症状を合併する.症状が進行するといわゆる肩手症候群の第三期6)のごとく皮膚,軟部組織,骨の萎縮が著明となり硬直した状態になる.本稿では手の外傷や術後に発生したRSDについて症例を供覧しながら,その理学療法についてまとめる.
反射性交感神経性ジストロフィー(以下RSD;Reflex Sympathetic Dystrophy)は1864年にMitchellがアメリカ独立戦争で銃創を受けた兵士を調査した報告の中で“カウザルギア(灼けつくような痛み)”という用語を用いたとされており1),以来同様の症候はいろいろな病名で報告されている1~5).
RSDは外傷や手術などをきっかけに受傷部以外にまで及ぶ“灼けつくような痛み”を主訴とし,その激烈な疼痛は“ペンチでねじられている”,“万力でグジャッと潰される”などさまざまに表現される.さらに腫脹,発赤,皮膚温の上昇と運動障害などの特徴的症状を合併する.症状が進行するといわゆる肩手症候群の第三期6)のごとく皮膚,軟部組織,骨の萎縮が著明となり硬直した状態になる.本稿では手の外傷や術後に発生したRSDについて症例を供覧しながら,その理学療法についてまとめる.
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