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特集 高次脳機能の最近の話題
記憶と記憶障害
著者: 数井裕光1 田辺敬貴2 池田学2 小森憲治郎3 吉田文4
所属機関: 1大阪大学健康体育部健康医学第三部門 2大阪大学医学部精神神経科 3東加古川病院心理室 4東加古川病院作業療法部
ページ範囲:P.598 - P.605
文献購入ページに移動近年の記憶研究の隆盛はHM1)というイニシャルで知られている,てんかんの治療のため側頭葉の内側部を面側性に切除された症例の詳細な研究に始まる.彼は新しい記憶を形成できない重篤な健忘症状を呈するが,運動技能の学習はよくでき,保たれている記憶が存在することが示唆された.その後の飛躍的な画像診断法の進歩やヒトとの対比が可能な霊長類の破壊実験の成果などと相俟って,今日,記憶研究は一大トピックとなっている2).ここでは,まず最近の記憶分類ならびに検査方法を概観し,これを純粋健忘症例を通して実践し,最後に痴呆疾患をも対象とした記憶のリハビリテーションの可能性について考えてみる.
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