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文献概要
特集 高次脳機能の最近の話題
運動の認知的制御とその可塑性
著者: 嶋啓節1 丹治順1
所属機関: 1東北大学医学部生理学第二講座
ページ範囲:P.612 - P.617
文献購入ページに移動 1初めに
随意運動が脳の中でどのように形成されるかを説明するため,これまでなされてきた研究を総合すると図1のような単純化された概念図にまとめられる.内的欲求あるいは外界からの刺激に基づく抽象的な運動のアイディアは大脳皮質連合野の広汎な領域に起こると考えられ,それが運動の実行系である運動領野に到達し,最終的に脊髄に運動指令が送られる.
われわれが行なっている運動はきわめて多彩であり,外界あるいは生体内部の多様な変化に適切に対応して運動の仕方を変えている.この過程は複雑であり,外界と体内からの情報を統合し,記憶情報を組み入れて,それらを運動の企画や構成へとつないでいくプロセスを含んでいる.実はこのプロセスに大脳高次運動野および一次運動野(MI)が閥与しているのである.
随意運動が脳の中でどのように形成されるかを説明するため,これまでなされてきた研究を総合すると図1のような単純化された概念図にまとめられる.内的欲求あるいは外界からの刺激に基づく抽象的な運動のアイディアは大脳皮質連合野の広汎な領域に起こると考えられ,それが運動の実行系である運動領野に到達し,最終的に脊髄に運動指令が送られる.
われわれが行なっている運動はきわめて多彩であり,外界あるいは生体内部の多様な変化に適切に対応して運動の仕方を変えている.この過程は複雑であり,外界と体内からの情報を統合し,記憶情報を組み入れて,それらを運動の企画や構成へとつないでいくプロセスを含んでいる.実はこのプロセスに大脳高次運動野および一次運動野(MI)が閥与しているのである.
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