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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル27巻9号

1993年09月発行

文献概要

入門講座 診療記録・3

報告書の書き方

著者: 西村敦1

所属機関: 1大阪府済生会吹田病院理学診療科

ページ範囲:P.619 - P.624

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 Ⅰ初めに

 理学療法士の臨床業務は,医師の処方をはじめとする多くの専門家の情報を収集することと,多くの専門家へ理学療法の情報を提供することから成り立っている.関連職が一同に会して行なわれるカンファレンスなどは,その情報交換の典型である.その他,処方箋とそれに対する返答である初期(評価)報告,治療途中での経過報告,理学療法終了時の最終報告,そしてまた緊急時の口頭でのやり取りなど,理学療法過程のそれぞれの時期に実に多くの情報交換(図1)が行なわれている.情報交換の形式はさまざまあるが,口頭でのやり取りに終わらせずに文書のやり取りとしてその記録が残ることが肝要である.

 理学療法診療記録が患者中心の理学療法を展開する上で不可欠なように,さまざまな情報交換が他の医療サービスと調和の取れた理学療法サービスを提供する上で欠かすことができない.その情報交換の記録が種々の報告書類であり,報告書の内容を見れば実施した理学療法の概略がわかる.さらに忘れてはならないことは,書いたものは他の専門家の目にいつでもふれ,文書そのものの良し悪しが理学療法に対する評価につながる可能性が少なからずあることである.一般企業の組織人同様に,日常の報告文書により他から評価されていることを考えると,理学療法士の仕事を適正に評価してもらうためにも日常の報告文書はおろそかには扱えない.

 本稿では,理学療法の日常業務の中より,理学療法の過程に関わる報告書について,その種類,それぞれに記すべき内容,そして書くことの意義,書く上での留意点などの解説を行ない,報告書の書き方への参考に供したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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