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短報
患者からみた理学療法のイメージ
著者: 城戸智之1 荻島久裕1 石黒淑子1 宮本綾子1 奈良勲23
所属機関: 1山田温泉病院リハビリテーション科 2金沢大学医療技術短期大学部理学療法学科 3広島大学医学部保健学科
ページ範囲:P.57 - P.59
文献購入ページに移動われわれの行なう理学療法は,患者にとってどのようなイメージのものとして捉えられているのだろうか.米国の心理学者Osgoodによれば,イメージとは感覚,感情,記憶などによって彩られた独特の概念であり,一人一人の個人が抱く情緒的意味(Affective Meaning)であるとしている1).これは意欲や障害の受容といった心理的状態と深く関連するものと考えられる.
したがって,患者が理学療法をどのようなイメージとして捉えているかを把握し,その構造を分析することにより,患者の抱える問題点や援助の方向性を探る糸口となるのではないかと考えられる.
イメージを測定する方法には,Osgoodの開発したSemantic Differential法(以下,SD法と略.)がある1).これは,複数の意味尺度(Semantic Scale)としての形容詞句を基に,因子分析を行なうものである.
今回,SD法を用いて患者からみた理学療法のイメージを調査し,若干の知見を得たので報告する.
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