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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル28巻10号

1994年10月発行

文献概要

1ページ講座 生理学的診断・10

肺機能検査・2 肺胞機能検査

著者: 渡邉修1 大橋正洋1

所属機関: 1神奈川リハビリテーション病院リハビリテーション科

ページ範囲:P.686 - P.686

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 肺胞から酸素を摂取し,組織で産生した二酸化炭素を排出するという呼吸の本質的機能は,前回述べたように,①換気,②肺循環,③換気血流比,④拡散の四つの過程から成り立っている.この一連の生理的機構は,動脈血ガス組成を正常に保つための仕組みということができる.したがって動脈血ガス分析は,呼吸状態を評価する直接的な検査と言える.

 肺胞機能とは,上記四つの過程のうちに,主に③換気血流比(VA/Q)と④拡散をさす.肺胞領域におけるガス交換は,その場の換気と血流との比率が適合することによって初めて正常に行ないえる.何らかの原因で肺胞毛細血管の血流が停止するとその肺胞はガス交換に与らなくなり死腔となる.また肺胞領域でのガス交換は,肺胞壁,毛細管膜を通じての単なる拡散によって行なわれる.拡散障害があると,肺胞気と終末肺毛細血管血の酸素分圧が平衡に達成しないことを意味する,したがって,以上の③,④の過程は,肺胞の実質,間質を冒す疾患(肺炎,肺気腫,無気肺,間質性肺炎,肺水腫,悪性腫瘍など)で傷害されることになる.それでは以上の病態が,動脈血ガス分析の中で,どのように評価されるのかみていく.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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