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ねたきり老人の下肢拘縮の実態
著者: 武富由雄1 市橋則明2
所属機関: 1神戸大学医学部保健学科 2京都大学医療技術短期大学部理学療法学科
ページ範囲:P.853 - P.856
文献購入ページに移動「ねたきり老人」とは,何らかの原因で6か月以上臥床のままでいる65歳以上の老年者を言う1).我が国では「ねたきり老人」は現在ほぼ60万人いると言われ2),「ねたきり」は人口の高齢化に伴い避けられない問題として受けとめられている3).1991年ロンドンで開催された第11回世界理学療法連盟の学会では“NETAKIRIROJIN”の演題発表に対して関心がもたれた4).西暦2000年には,その数が100万人(2倍近くなる.)に達すると言われている5~7).
「ねたきり」を招く身体的要因としては;脳血管障害,骨関節障害などがあり,これら一次性疾患により長期にわたって臥床すれば,低運動に基づいて二次性に関節拘縮や筋萎縮といった廃用性症候群を進行させる8).静的な臥床姿勢を6か月以上続ければ四肢,特に股関節,膝関節,足関節に拘縮が起こり,トイレ動作,立ち-座り動作,歩行など下肢の機能動作が著しく困難・あるいは不能となる9).老年者の関節可動域についての報告はあるが10,11),「ねたきり老人」の下肢の拘縮肢位の類型別についての報告は少ない.
そこで,今回6か月以上の臥床老年者を対象に股・膝・足関節の拘縮肢位の調査を施行,拘縮肢位を類型別に分類し検討を加えて報告する.
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