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特集 脳卒中リハビリテーションプログラムの各段階に応じた理学療法
脳卒中リハビリテーションにおける外泊訓練の意義と理学療法
著者: 大川弥生1 関口春美2
所属機関: 1帝京大学市原病院リハビリテーション科 2会田記念病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.88 - P.94
文献購入ページに移動リハビリテーション(以下,リハと略.)の進め方には単一のものがあるわけではなく,種々のやり方があり,大きく「段階論的方針」,「同時並行的方針」,「目標指向的方針」の三つに分けることができる1).リハ医療本来の意義を果たすには「目標指向的方針」が最良であり,その方針の下でリハプログラムを進めていくことは日常生活動作訓練(以下ADL訓練と略.)に関して言えば,ADL訓練を「‘するADL’向上に向けた訓練」2~4)として進めていくことに他ならない.
本稿のテーマとなっている外泊訓練は,この「‘するADL’向上に向けたADL訓練」を進めていく際のポイントとも言うべき重要な役割を果たすもの3~7)である.すなわち外泊訓練はリハ開始時からリハプログラム内に明確に位置付けされて開始されるべきもので,リハプログラムのある時期になって初めて開始されたり,まして最後の仕上げとして行なわれるべきものではない.
そこでまず「‘するADL’向上に向けたADL訓練」の基本的な考え方について述べた後,外泊訓練について話を進めることとする.
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