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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル28巻3号

1994年03月発行

文献概要

1ページ講座 生理学的診断・3

筋電図・1 針筋電図検査

著者: 大橋正洋1

所属機関: 1神奈川リハビリテーション病院リハビリテーション科

ページ範囲:P.191 - P.191

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 針筋電図検査とは,筋の活動に伴う電気的現象を,筋細胞の近くに挿入した針電極によって観察する方法である.1個の脊髄運動神経細胞と神経軸索,これらに支配される多数の筋線維細胞をまとめて運動単位(motor unit)と呼ぶ.軸索の電気的興奮が神経筋接合部に到達すると,筋線維は持続時間200msec程度の短い収縮をし,次いで弛緩する.このとき持続1~3msecの微少電位が発生し,周囲の組織に伝わる.軸索の興奮は,同じ運動単位に属する筋線維に少しずつ時間差をおいて伝わるが,そのときそれぞれの微少電位が合成されて,持続1~12msec,振幅100~3000μVの運動単位電位となる.正常波形は,基線から最初に陰性側に振れがある2~3相波である.筋の収縮が弱いと,まず小さな運動単位が5~15Hzの頻度で活動する.収縮が強くなるに従い大きな運動単位が動員され,収縮がさらに強くなると運動単位の活動頻度が増大する.正常の最大筋活動頻度は50Hz程度である.このように随意運動に伴って筋活動電位が増していく樣を,漸増型(recruitment pattern)と言う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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