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理学療法草創期の証言
理学療法維新
著者: 高橋長1
所属機関: 1老人保健施設静寿苑
ページ範囲:P.194 - P.194
文献購入ページに移動1948年は日本理学療法協会が日本医療マッサージ師会として設立された年であり.また1948年法律217号施行の年でもある.終戦後間も無い日本国内の各界に対する連合軍総司令部(GHQ)から出される指令は厳しいものがあり,それに対処するために全国の病院に勤務するマッサージ師を結集して本協会が発足した.1965年理学療法士および作業療法士法が確立される以前はマッサージおよび物理療法,体操療法などが,治療の主体とされてきた.整肢療護園園長,東京大学名誉教授高木憲次先生は理学療法に従事する技術者の重要性を強調され,日本肢体不自由児の療育技術者養成,さらにその資質の向上に努められ整肢理療研修会や,テキストなどにより学術および技術の向上に努められた.労災病院においては1949年に開院した九州労災病院に九州大学温泉研究所から理学診療部長として着任された服部一郎先生の指導の下で,日本では数少ない理学療法棟が完成し,1955年にはその当時は外国の文献などでみられる回復訓練棟が着工され1956年に完成した.先輩諸氏の並々ならぬ汗の結晶の積み重ねが,現在の理学療法の花咲く道となってきたのであろう.理学療法士および作業療法士法が施行され,専門に教育するリハビリテーション専門学校が,開校して数多くの卒業生が,リハビリテーション施設のある病院,施設に就職するようになり,1963年には国立療養所東京病院附属局リハビリテーション学院が開校して,30年が過ぎ,国立,公立,私立等々50数校を教えるまでになった.
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