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雑誌目次

雑誌文献

理学療法ジャーナル28巻4号

1994年04月発行

雑誌目次

特集 嚥下障害

咀嚼障害

著者: 金子芳洋

ページ範囲:P.220 - P.225

 Ⅰ.初めに

 咀嚼障害を正しく理解するには,“嚥下障害”またはもう少し広い意味での“摂食機能障害”という一連の機能の流れの中での障害における“咀嚼障害”の位置付けを明らかにしておくことが,まず初めにたいせつなことである.しかし,その意味では“咀嚼”という言葉くらい一般に誤って使われているものも少ないのではなかろうか.そしてその誤解のために,障害された口腔機能のリハビリテーションに際して困難に直面し,あるいは混乱を来していることが非常に多い.

 そこで本稿では“咀嚼”という言葉のもつ正しい概念についてまず解説を試み,そしてそのような意味での咀嚼に関連した口腔の正常機能に関する最近の情報に少しふれ,最後にそれらの考え方を踏まえた上での口腔機能のリハビリテーション訓練の実際の在り方について,紙面の許す限り述べてみたい.

嚥下障害のリハビリテーション

著者: 伊藤裕之

ページ範囲:P.226 - P.232

 Ⅰ.初めに

 嚥下障害のリハビリテーションは障害の診断や治療との一環として行なわれるべきである.しかし,嚥下障害のリハビリテーションを外科的および内科的治療と組み合わせて総合的に行なえる施設は少なく,嚥下障害のリハビリテーションについては,未解決の問題も少なくない.本稿では,嚥下障害の基礎からリハビリテーションまで,神奈川リハビリテーション病院における経験を中心に述べていきたい.

脳性麻痺児の咀嚼・嚥下障害に対する治療

著者: 山川友康 ,   山川眞千子

ページ範囲:P.233 - P.239

 Ⅰ.初めに

 脳性麻痺児の治療場面で,理学療法士は親から食事摂取の問題で相談を受けることが多い,乳児期での水分補給を含めて栄養摂取は,生命維持や子どもの成長に直接関係する因子であるばかりか,授乳回数が多い上に毎回の摂取にたいへんな労力を費すことが多く,出産直後から直面する重要な問題となる.さらに摂食機能に必要な口腔器官は,言語の発達にも関与する器官であり,この意味からも発達を促進するための早期治療プログラムで積極的にアプローチを試みる必要がある.

 本稿では咀嚼・嚥下機能の発達を促進する治療の考え方を粗大運動発達と関連付け,脳性麻痺の子どもの問題と治療の具体的プログラムとを症例を通じて紹介する.

脳卒中後咀嚼嚥下障害への運動療法

著者: 古澤正道

ページ範囲:P.240 - P.245

 Ⅰ.初めに

 筆者らは脳卒中後遺症などによる口腔器官や顔面麻痺(orofacial motor dysfunction)への運動療法の結果を,理学療法士と言語療法士との協力で報告してきた1~12).さらにボバースアプローチ13)を基礎にした口腔器官への対応が諸家により報告されている14~28).これらの報告の共通内容には二つの強調点がある.

 一つは患者の口腔周辺の器官は,上部胸郭や骨盤からの異常な姿勢緊張と姿勢運動パターンの影響を受けやすいゆえ,全身からの影響を取り除いた上で口腔器官の問題に対処することである.

 二つ目は咀嚼・嚥下・発声・構音はおのおのが深く機能的関連をもっていることである.例えば嚥下は咀嚼の過程と関連が深く29),両者が緊密に協調した関係にあることは治療上からも重要である.したがって,嚥下過程の1か所に主たる障害があってもその部分への対応のみに留まらず,前後さらには一連の咀嚼嚥下の過程を円滑にする中で改善を図る必要がある.以上を実症例を通して解説し,治療の実際について述べる.

脳血管障害による嚥下障害の評価と訓練

著者: 小椋修 ,   中西千代美 ,   溝尻源太郎 ,   柴裕子

ページ範囲:P.246 - P.251

 Ⅰ.初めに

 脳血管障害による嚥下障害のリハビリテーションには,関連各領域のチームアプローチが望ましいが,必要なすべてのスタッフ,検査装置が揃うとは限らず,それぞれの施設の事情に応じた工夫も必要である.嚥下障害の評価には,嚥下運動の観察の点から,嚥下時のX線透視を録画観察するvideofluorography(以下,VF)の必要性が強調されている.しかし,実際の訓練場面では,口腔顔面の器官の検査とともに話し言葉や食事場面の観察など,日常的な観察所見を基に嚥下機能を推測することも重要となってくる.

 われわれは3年来,耳鼻咽喉科医と協力し内視鏡を使った喉頭観察を続け,中枢神経疾患例の喉頭の器質的変化,発声・嚥下時の喉頭の運動を調べている.それにより,話し言葉や声の質の評価,咳ばらいのようすなどの臨床所見が,嚥下における咽頭・喉頭のようすをある程度反映することを確認できた.また,訓練の有効性が視覚的に示された.

 嚥下障害の評価における日常的な観察所見と嚥下運動との関連を示し,訓練の考え方を述べる.また訓練により経口摂取自立となった症例を紹介し,経口摂取開始の基準,訓練適応について考察する.

とびら

やさしく

著者: 望月圭一

ページ範囲:P.219 - P.219

 最近の若者は,誰もが優しいという.理学療法士を目指す学生であれば,なおさらであろう.事実,臨床実習学生をみてもそのとおりで,礼儀正しく,清潔で真剣に学んでいる.しかし,時には,検査・測定などを行なっていて知識・技術を熱心に学ぼうとするあまりか,患者さんへの配慮・優しさに欠けることもあり,極端な場合には,被検者が患者さんであることすら忘れてしまう.知識・技術の修得とともに優しさも学んでほしいと思う.

 “やさしく”と言えば,ほろ苦い思い出がある.昨春のこと,股関節術後の運動療法を行なっていたとき,患者のAさんに,突然,「どうしてそんなにやさしくできるんですか?」と聞かれた.私は,一瞬答につまり,多少面映ゆい感じで「手術後で痛いこともあるでしょうし,苦しいこともあるでしょうから,優しくするのは当然ですよ.」というようなことを答えた.しかし,Aさんは納得いかないように,再度「手術後,ベッドの上で少しでも足を動かすと痛いのに,ここでは,どうしてそんなに痛くなくやさしく動かせるんですか?」と聞く.どうもAさんのいっている“やさしく”は“易しく”のことで,技術のことを言っているようである.そこで,手術のこと,介助の部位,動かす方向など,そういう知識・技術があれば,痛くなくできるのだと答えた.治療者であれば,誰でも,優しくはいつも心がけていることであるが,どうも勘違いをしたようである.自意識過剰であったかと,後で赤面してしまった.

入門講座 介護方法論・4

食事―「さあ,起きて食べよう」

著者: 石田卓司

ページ範囲:P.252 - P.257

 Ⅰ.初めに

 人間は,はるかな昔から,「食べる」ということに最大の情熱とエネルギーを注いできたと思う.というのも,食べないことには人は存在しえないからだ.たとえどのような理屈によっても,食を除いた人間生活は成り立たない.食物を得ることとそれを食べることとは,生の根幹を成しており,人は生きるために食べるというより,むしろ,生きるとは食べることだと言うほうが真実に近い.人類が口にする広汎な食物の種類によっても,それは裏付けられはしないだろうか.人間は,それこそ空を飛ぶもの地を這うもの,海のもの山のもの,動物植物を問わず,大は鯨から小は種々の微生物に至るまで,有機物のほとんどの種類を食用にする.しかも,単に採集,狩猟するばかりでなく,知恵の限りを尽くして食の基を養い,育み,加工し保存するという営みを繰り返してきた.人類の繁栄はその豊かな食条件が約束したと言える.そうして,長い年月のうちに,食は独特の世界とフォルムを形作るに至った.牛馬,犬猫の摂食行動とは異なり,生命の維持を目的とする水準を超えて,人間の精神的,情緒的,社会的行為として食は存在しているのである.

 それにしても,私たちの食生活に備わる様式の,整然とした構造には改めて驚かされる.普段口にする食べものの範囲,その取り合わせ,調理や味付け,食器の種類や形態,食事の量,時間,場所,作法などにまで,厳密な何かの意思に基づくかのような共通性,一体性がある,それが私たちの「食の概念」なのである.この範疇から著しく逸脱しないことによって,私たちの社会における食は成り立っている.一つの社会において長い歴史を経た確固たる食の枠組みが,私たちの内に刷り込まれており,それが一定の食行動を保証している,言い換えると,食にはつねに前提する種々の条件があり,それらが満たされることによって食べるという行為は成立するのである.だから守り保つべき食の条件が欠けると,食事が食事でなくなってしまう.例えば,私たちのものとは掛け離れた食習慣をもつ人々の中にいて,私たちが食物とは思わない,想像を絶する料理を前にし,聞いたことも無い作法を求められたとしたら,あるのは違和感や嫌悪感ばかりで,ものを食べた気になどならないに違いない.その忌むべき食体験も,一度で済めば笑い話として片づくだろう.しかし,一見食事のようでいて実は食事とは認め難いものと,絶えず向き合わなければならないとしたら,苦痛を通り越して,人はどうにかなってしまうに違いない.

 さて,私たちが「老人介護」のテーマで,食に関する議論をする理由は何か.老人に限ったことでなく,私たちとともに社会にあって,生活行為に援助を必要とする人々が,満足な環境で食を享受できていないからだ.その主な理由は,食本来の幾つもの内的,外的条件を,介護(看護)が軽んじてきた点にあるのだと言える,介護者が自身では決して受け入れない食条件を,老人や病人に対してはあっさり押し付け,それによって引き起こされる惨憺たる結果を洞察しない.介護の問題の根はここにある.それを棚上げしていて,適切な食環境は生まれない.結果として,いくら滋養に富んだ食事でも,食べる人を養い,元気にすることはあるまい.老人や病人から元気を奪ってしまう食事を,日に三度づつ提供し続ける介護(看護)とは,矛盾性の見本に違いない.実質的な介護論は,その矛盾の内に少しでも踏み入るところから始まるのだと思われる.

講座 動作分析・4

発達学的観点からみた動作分析

著者: 大橋知行

ページ範囲:P.258 - P.264

 Ⅰ.初めに

 動作分析と発達学との関係は,動作分析の中での一つの視点として発達学的知見を応用する場合と発達研究の一手段として動作分析を利用する場合との両面をもっている.しかし,この両面は実際には相互に関連し合って使われることが多い.ここでは,動作・動作分析を発達学的観点で促える意義と発達学的分析の課題,理学療法への応用について考えてみる.

プログレス

精神疾患と生体リズム・2

著者: 山口成良

ページ範囲:P.265 - P.265

 4.鬱病

 概日リズムの異常としてASDCの「睡眠・覚醒障害の診断分類」3)の中にある,“睡眠・覚醒スケジュール障害”としてのjet lag症候群や,睡眠相後退症候群,不規則睡眠・覚醒パターンなどについて説明すべきであるが,すでに睡眠・覚醒リズム障害として多くのところでふれられているので省略する.

 ここでは鬱病の睡眠中のNREM-REM周期,すなわち20時間以内のリズム(ultradian rhythm)の異常について述べる.

 図1はMcCarley8)の論文より引用したもので,睡眠ポリグラフィーの所見と,モノアミン系ニューロンの活動との関係を模式図的にみたものであり,鬱病ではモノアミン系ニューロンによるREM睡眠抑制機能が低下しているため,REM潜時が短縮し,REM密度が増加している.

理学療法草創期の証言

柔道整復師と特例措置

著者: 山口二郎

ページ範囲:P.266 - P.266

 1.日本医療マッサージ師会発足

 1948年日本医療マッサージ師会が発足.発起人代表の後藤真一氏(現東京衛生学園創立者)が全国の大学病院,大病院などで整形外科後療法を施行していた針灸マッサージ師の主だった人間に呼びかけ,東北では筆者にも声が掛かった.筆者は元来柔道家で,当時講道館六段,柔道整復師の免許のほか針灸マッサージの免許ももち,福島医科大学整形外科に勤務していた.

 大森東京学園に馳せ参じて聞いた後藤氏の第一声は「われわれの業務は整形外科と両輪を成す.矯正マッサージ,物理療法は整形外科にとってなくてはならない貴い職業である.」であった.

300余時間のカリキュラム―厚生大臣指定講習会

著者: 早川義貞

ページ範囲:P.267 - P.267

 リハビリテーションの専門技術者として,理学療法士,作業療法士を新たに養成する必要があるということは,1960年ころにもいろいろな場で論議がなされていた.しかし,現場で仕事をしている者にとっては何時のことになるやら,まだ遠い先のことのように思われていた.

 1963年我が国最初の理学療法士,作業療法士の本格的な養成施設として清瀬市に国立養成所東京病院附属リハビリテーション学院が開校したことにより,先の思いがいよいよ現実の問題としてわれわれ病院勤務者の上にのしかかってきた.

あんてな

そして,今,障害予防―第29回日本理学療法士学会の企画テーマ「障害予防と理学療法」

著者: 對馬均

ページ範囲:P.268 - P.268

 1.なぜ,今,障害予防なのか?

 我が国にリハビリテーション医学が導入されてから30年が過ぎ,その進歩とともに我が国の理学療法も発展してきました.しかしこの間,人口動態や疾病構造は目まぐるしく変化したことも事実です.老齢人口がピークに達するまでのカウントダウンが始まった現在,保健・医療上の大きな課題は「健康に過ごせる人生の期間を如何にして延長させるか」であるとも言われています.換言すれば,疾病にかかったり能力低下に陥った状態を問題とするだけでなく,こうした状態におかれている期間を可能な限り短縮することの重要性に視点が移ってきていることに他なりません.したがって,疾病から機能障害が発生することを予防し,さらに機能障害から能力低下に陥ることを予防し,また不幸にして能力低下が生じた場合にはその状態が進行することを予防することがたいせつになってきます.

1ページ講座 生理学的診断・4

筋電図・2 誘発筋電図

著者: 大橋正洋

ページ範囲:P.269 - P.269

 誘発筋電図検査とは,神経幹を体の表面から電気刺激し,誘発された神経活動電位や筋活動電位から,末梢神経伝導速度や脊髄反射機能などを検査する方法である.

 A神経線維は,最も直径が大きく伝導速度も大で,これは筋紡錘のMeissner体やGoldi腱器官などからの体性感覚機能と,脊髄運動細胞からの体性運動機能に関係している.A神経線維を伝わってきた活動電位は,神経筋接合部でアセチルコリンを放出させ,それに引き続いて筋線維の収縮を引き起こす.

新人理学療法士へのメッセージ

コミュニケーションをたいせつに

著者: 會津加代子

ページ範囲:P.276 - P.277

 <初めに>

 新人理学療法士の皆さん,元気に頑張っていますか.それぞれいろいろな思いをもって毎日を過ごされていることと思います.私は,社会に出てからの経験は少なく,今年3年目に入ったばかりです.ですから,「新人へのメッセージ」を依頼されても,そんな私に,皆さんの期待に応えることのできるようなメッセージなど書けるはずもないので,役だつような御意見は,他の方たちにお任せし,今回は,私の短い経験から感じたこと,思ったことなど書きますので,皆さんも楽な気持ちで息抜き程度に読んでください.

理想の理学療法士への道

著者: 畑貴美子

ページ範囲:P.278 - P.279

 初めに

 新人理学療法士になられた皆さん,おめでとうございます.今回,新人理学療法士へのメッセージの原稿を依頼されたとき,どうして私が?と,戸惑ってしまいました.ぬるま湯の中に居心地良く居続けていたので,エネルギッシュな新人さんたちに何かメッセージを,と言われても……と思い,困ってしまいました.しかし,世の中には第一線でバリバリにやっている理学療法士もいれば,私のようにマイペースでやっている理学療法士もいて,いろんな考え方があるんだという参考になればと思い,受けることにしました.

 「光陰矢の如し」で,私も理学療法士になり,あっという間に4年が過ぎてしまいました.他の病院ではそろそろ実習生を担当する方々もいるというのに,私は実習生から質問されると,とんちんかんな答えをしてしまったり,慌てて本を調べたりする日々を送っています.時間は待ってくれません.スタートでもたもたしている人間にとっては残酷に過ぎていってしまいます.新人さんたちにとっては,今からがスタートです.

一つの差異と三つの矛盾を乗り越えて

著者: 石原建男

ページ範囲:P.280 - P.281

 初めに

 個人の経験は,その人固有の経験であるが,同時にそれは各人に共通する一般性や共通性をもちえます.後者を意識しつつ,私が現在まで経験し考え,反省すべきであった点をお伝えすることは,これから社会へ参加される人たちに何か参考になると考えます.

目標に向けて努力しよう;自分を培う心

著者: 大屋和子

ページ範囲:P.282 - P.283

 新人理学療法士の皆さん,御卒業おめでとうございます.志を同じくする理学療法士が,今年も誕生したことを,とても心強く感じています.

 私は,理学療法士を目指して入学したころから現在まで,理学療法士としてどのように過ごしてきたのか,思い返したことがほとんどありませんでした.

 振り返ってみれば,突然「頑張ろう」と意欲に燃えたり,反対に何をしてもうまくいかずいらだったり,遊ぶことばかりに夢中になったりと,さまざまなことがありましたが,あがきながらも私なりに目標に向けて頑張ってきたのではないかと思うのです.

 皆さんはどうでしょうか.学生だったころと比べて今,社会人として,あるいはRの付いた理学療法士として,どのような目標をもっていますか.

 今回このような機会をいただき,私が目標に向かってどのように過ごしてきたのか,反省を含めて述べることにしました.

心を学んで一流の理学療法士に

著者: 森田秀昭

ページ範囲:P.284 - P.285

 Ⅰ.初めに

 全国の新人理学療法士さんこんにちは!熊本より熱いメッセージをお届けします.

 私は1947年北九州に生れ,熊本市在住16年,干支は猪,血液型B型,性格は粘着性気質(Kretschemer分類;思い込みが激しい・協調性に欠ける・粘り強く正義感が強い・約束規則には厳格などが特徴),視力左右とも2.0(要老眼鏡),聴力:時として地獄耳,趣味スポーツ全般,家族構成:妻・長男(高3)・次男(高1)の4人暮らし.こう述べればプロフィールは大方想像できると思いますが,人生すべて猪突猛進で臨み周囲の反応に疎く,サイドステップが効かずスッテンコロリンの繰り返しです.DYJOC・感覚統合訓練法をマスターしておけばと,後悔しきりの昨今です.団塊の世代,自戒の念を込め全国版でお届けします.

学会の地紹介

「青森物語」

著者: 本誌編集室

ページ範囲:P.270 - P.274

 さあさ,お立会い.御用とお急ぎでない方は,まずはお耳をお貸しくだされ.士ならぬ理学療法士とやらの日の本国全体の集まりが津軽の地で5月27,28日にあるとのこと.まずはお耳に入れておかねばならぬことがあるのじゃ.足を止めてお聞きいただきましょう.拙者が担当になって恒例となった学会の地紹介,陸奥は津軽の地を御案内致しやしょう.

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文献抄録

ページ範囲:P.286 - P.287

編集後記

著者: 安藤徳彦

ページ範囲:P.290 - P.290

 4月号をお届けします.

 今月は先輩から新人理学療法士へのはなむけの言葉を収録しています.どの執筆者も後輩にエールを一所懸命に送ってくれています.皆さん,先輩に負けずに頑張りましょう.どんなに偉い先輩も誰もが最初は新人でした.だから皆さん頑張りましょう.

 そして今月は嚥下障害の特集号です.金子氏は「咀嚼」は歯で噛むだけでないことを指摘して,嚥下の第一相として解説し,対処法を詳しく説明してくださいました.伊藤氏は嚥下障害のリハビリテーションについて解剖学と外科的治療との関係について,嚥下障害に熱心な耳鼻咽喉科医の立場から解説してくださいました.山川氏は咀嚼や嚥下の能力が全身の運動・感覚の発達と並行して進行するものであること,したがって訓練は両者に同時にアプローチすべきことを具体的に解説してくださいました.古沢氏も同様の立場から解説してくださっています.小椋氏は器材によらない観察所見からの診断・評価法を詳述してくださいました.これらはどれも読者諸氏にとって貴重な解説になると思います.

基本情報

理学療法ジャーナル

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1359

印刷版ISSN 0915-0552

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