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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル28巻5号

1994年05月発行

文献概要

とびら

姿勢保持

著者: 大津慶子1

所属機関: 1東京都立医療技術短期大学

ページ範囲:P.293 - P.293

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 「最近は,左の股関節がカクッカクッと音がするんですよね.背骨も曲がってきて,くねくねっとしてきてるんです.」筋萎縮性側索硬化症と10か月ほど前に診断されたSさんの奥さんは,手すりとダイニングテーブルを伝いながら,いちばん奥のいつもの定席に腰を下ろした.

 脳卒中の後遺症の右片麻痺と着衣失行など高次脳機能障害をもつSさんの自宅を訪問したときのことである.Sさんの半年間のグループ指導を終えて今後のことを相談するための訪問だが,進行性の疾患の奥さんの話が中心になりがちとなった.TH大学病院に週1回通院しながら,先のことは考えずに,今を精一杯生きるように言われていると話す奥さんは,夫の代わりに自営業のやりくりを続けているが,それもいつまで続けられるかわからない.高校を卒業した息子さんも,両親の介護などで,仕事ももてない状態である.深刻な状況になるのは必至である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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