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特集 治療を目的とした装具と運動療法
片麻痺に対する「治療用」装具と運動療法
著者: 大竹朗1 佐竹将宏2 石神重信3
所属機関: 1国立犀潟病院附属リハビリテーション学院理学療法学科 2秋田大学医療技術短期大学部理学療法学科 3防衛医科大学校リハビリテーション部
ページ範囲:P.300 - P.305
文献購入ページに移動脳卒中片麻痺患者の治療の中に装具療法の占める割合は大きいが,リハビリテーション医療の中で装具療法に対する考え方は未だ統一されていないのが現状である.装具の目的や適応を理解していても処方時期に関しては,「運動療法で身体機能が改善できるのでは」という期待や「最終的に必要となる装具が見付からない」などの理由から明確になっていない.しかし,片麻痺の早期リハビリテーションでは,患者の障害は変化するものである.治療期間に制限のある現医療の中で,障害に適した装具を利用し運動療法を行なうことにより,治療効果を早く引き出せるならば,処方の決断の意義も大きくなると言える.
われわれは,脳卒中片麻痺患者の早期理学療法に移動・移乗能力を改善させトータルケアの向上を目標に,装具を積極的に利用してきた.
特に長下肢装具は,患者の身体機能の変化に合わせて膝継手や足継手などを積極的に調節してアライメント調整を行なうことで「治療用」装具として用いてきた経験から,装具療法と運動療法について考えてみたい.
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