文献詳細
文献概要
印象に残った症例
モヤモヤ病による両側片麻痺陳旧例の理学療法
著者: 藤田智香子1 吉村茂和1
所属機関: 1東京都リハビリテーション病院理学療法科
ページ範囲:P.343 - P.346
文献購入ページに移動 Ⅰ.初めに
Willis動脈輪閉塞症(モヤモヤ病)は特有の脳血管撮影像を呈す脳血管疾患の一つである.筆者はモヤモヤ病と診断された後,結婚・出産し,その後の血行再建術後に両側の片麻痺を併発して約2年間の入院生活後,3年半ほぼ寝たきり状態で在宅生活を送っていた症例の理学療法を担当した.この症例は,両側の片麻痺を併発後6年以上経過し,そのうち3年半ほぼ寝たきり状態の期間があったにもかかわらず,集中的なリハビリテーションの結果,起き上がり・介助歩行が可能となり,立ち上がりの介助量が軽減した.
発症後期間が経っていたり,重度な障害をもつ症例の理学療法効果に関してはつい否定的になり,セラピスト自身で症例の能力の限界を作ってしまう場合があるが,この症例はそんなセラピストの先入観を払拭する貴重な経験を与えてくれたので紹介する.
Willis動脈輪閉塞症(モヤモヤ病)は特有の脳血管撮影像を呈す脳血管疾患の一つである.筆者はモヤモヤ病と診断された後,結婚・出産し,その後の血行再建術後に両側の片麻痺を併発して約2年間の入院生活後,3年半ほぼ寝たきり状態で在宅生活を送っていた症例の理学療法を担当した.この症例は,両側の片麻痺を併発後6年以上経過し,そのうち3年半ほぼ寝たきり状態の期間があったにもかかわらず,集中的なリハビリテーションの結果,起き上がり・介助歩行が可能となり,立ち上がりの介助量が軽減した.
発症後期間が経っていたり,重度な障害をもつ症例の理学療法効果に関してはつい否定的になり,セラピスト自身で症例の能力の限界を作ってしまう場合があるが,この症例はそんなセラピストの先入観を払拭する貴重な経験を与えてくれたので紹介する.
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