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理学療法草創期の証言
リハビリテーションの夜明け
著者: 綿貫吉一1
所属機関: 1生活とリハビリ研究所
ページ範囲:P.412 - P.412
文献購入ページに移動 1950年,私は大阪物療学校物療科に引き続きレントゲン放射線科を卒業,大阪大学医学部附属病院放射線科での研修を卒えて郷里の公立豊岡病院放射線科に奉職しました.当時の理学療法は物療と言い放射線科の副業でリウマチ,神経痛,骨折の後療法としての電気治療(赤外線・紫外線照射,超短波感電)が主でした.患者の付き添いさんは買ってきた蒟蒻や,沼から採ってきた河骨を釜で炊いて温め,それを患部に当てて布で包み温湿布をしている,そんな時代でした.そして骨折にギプス固定がされても,除去した後ずれていることが多く,患者も施療者も神経質になるけれどそのうち拘縮が進み,可動域が改善されず,困ったものでした.さらに,ずれに対しては矯正と言ってマニプュレーションが行なわれましたが,これは再骨折の虞がありました.現在のような改良された手術は行なわれず,後療法としても関節可動域と筋力増強とを並行して施すことは無かったので,拘縮に悩む患者がほとんどでした.また脳卒中患者に対しては患側にマッサージが施されるくらいで,自分で立ち上がれない場合は寝たきりで,ただ死を待つのみでした.
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