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特集 高齢の整形外科的疾患患者に対する理学療法
在宅慢性関節リウマチ患者に対する支援活動
著者: 松葉貴司1 小倉秀子1 伊藤利之2
所属機関: 1横浜市総合リハビリテーションセンター地域サービス室 2横浜市障害者更生相談所
ページ範囲:P.532 - P.537
文献購入ページに移動慢性関節リウマチ(以下,RAと略.)は,多関節の炎症を主症状とする全身性疾患で,多くは憎悪と寛解とを繰り返しながら徐々に進行する疾患である.RA患者のADLは,関節痛の状態によって支配されると言っても過言ではなく,疾患自体の活性や服薬の状態,季節や天候などにより,日内あるいは日差変動が大きいことが特徴である.
RA患者の家庭を訪問すると,家具の配置やその利用の仕方には,患者一人ひとりのさまざまな工夫の跡がみられ,われわれリハビリテーションスタッフは感心させられることが多い.これは,悪性関節リウマチなどの少数例を除いて基本的に知的障害を伴わず,長期間にわたって徐々に機能障害が進行するため,患者自身が疾患に対して順応していく過程を顕しているものである.それ故,在宅におけるリハビリテーションサービスは,個人個人の身体機能は本より,家屋環境や患者および介護者のニーズをふまえた上で,ADLの改善やQOLの向上を目標とすることが重要である.
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