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印象に残った症例
運動時に著明な低酸素血症を示す陳旧性肺結核症例に対する安全運動強度の判定と生活指導
著者: 小室透1 間瀬教史1 居村茂幸1 藤原誠1 辻田純三2 稲森義雄3 大西秀明4
所属機関: 1兵庫医科大学病院リハビリテーション部 2兵庫医科大学第一生理学教室 3兵庫医科大学行動学教室 4明和病院
ページ範囲:P.625 - P.627
文献購入ページに移動慢性呼吸器疾患患者に運動療法を適用するとき,特に問題となるのは低酸素血症である.これは,換気量の増大に基づいて肺胞低換気が著しくなったり,換気血流不均等分布が増悪したりすることによって招来され,運動のために必要な酸素需要をまかないきれなくなった状態である.また,肺高血圧,心不全を合併している症例では,運動時の心拍出量を十分に増加させることができないため,組織への酸素供給が不足し,低酸素血症による影響が助長される.したがって,このような症例に対しては,身体活動性の管理と指導がいっそうたいせつになる.
今回,運動時の呼吸困難が比較的少なく,その結果として重篤な運動時低酸素血症を引き起こしている症例を経験したが,それに対して,運動負荷テストの結果を基に許容運動強度を判定し,これに基づいた日常生活指導を行なったので紹介する.
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