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報告
脳血管障害における重症例に対する理学療法
著者: 稲坂恵1 福田光祐2
所属機関: 1横浜市立港湾病院リハビリテーション科 2横浜市老人リハビリテーション友愛病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.642 - P.645
文献購入ページに移動近年,脳血管障害者の早期リハビリテーションの重要性は常識となり,その実践で効果も上がっている.しかし,このようなアプローチをしてもなお,身辺自立能力の低い重症例は存在し,むしろ最近ではこれら症例の増加が報告1,2)されている.
古くより“障害がいくら重度であっても決してリハビリテーションの対象外ではない”とする理念3~5)が示されてきた.そして,重症例のうち若年齢患者や多様な機能障害患者の予後予測は困難であるとの報告6)も出されている.したがって重症例のゴール設定をおしなべて不良とするのではなく,個別性を重視して慎重に評価し,具体的な方策をもって有効なアプローチを検討する必要があろう.
そこで一般的に身辺自立能力が低いと言われる重症例に対して,実際にどのような理学療法が行なわれているのか,われわれの治療経験を紹介し,最終自立度の結果から理学療法の意義について考察する.
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