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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル29巻1号

1995年01月発行

文献概要

特集 世界は今

脳卒中片麻痺に対する理学療法

著者: 冨田昌夫1

所属機関: 1神奈川リハビリテーション病院理学療法科

ページ範囲:P.30 - P.34

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 Ⅰ.概略

 理学療法士として強い関心をもっている二つのことについて述べさせていただく.

 第一の関心事は,“認知科学の急速な進歩・発展”および“脳科学と認知科学の接近”1)である.その結果,従来の神経学的な運動コントロールモデルでは排除されてきた患者の情動や意志・意欲に始まり,認知,適応,学習といった神経系以外の“自分”および“自分と外部環境”の相互作用まで含めた運動コントロールモデルが重要になってきた.そこで,運動コントロールのシステムモデルを紹介していきたい.

 第二の点は,社会的問題であり,地域での理学療法,病院での理学療法おのおのの専門性についてである.1990年7月ADA(障害を持つアメリカ人法(Americans with Disabilities Act))2)の成立でアメリカを中心に発展してきた自立生活運動は,北欧などにも大きな影響を与え,今までのノーマライゼーションの枠を越え,自立生活運動の動きがかなり広がっている.地域リハビリテーションでは,このような自立生活運動をどう支援,発展させていくかが重要なポイントになってくるように思われる.地域リハビリテーションが充実すればするほど,病院での理学療法士にはより高度な専門技術が要求されてくる.病院での理学療法の専門性の一つのモデルケースとしてドイツのセラピーセンターブルガウ(Therapie Zentrum Burgau)を紹介してみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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