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印象に残った症例
重症心身障害児の母―理学療法士に教えてくれたもの
著者: 長谷川弘一1
所属機関: 1秋田県太平療育園訓練科
ページ範囲:P.61 - P.63
文献購入ページに移動 Ⅰ.初めに
先日一通の手紙を受け取った.差し出し人は,10年にわたり理学療法士として療育を担当した重症心身障害の男児の母親であった.患児は1994年4月に新設された地元養護学校へ分校からの編入が決まり,家族や学校関係者らもその日を心待ちにしていた.1994年3月20日,てんかんの重積状態と肺炎による呼吸障害により彼は,突然この世に別れを告げてしまった.
わずか10年の人生,その間理学療法士として彼に対し何を成しえたのか,また彼にとって母親の存在がどのようなものであったかを彼との出会いから振り返ってみながら,重症心身障害児の療育の原点について考えてみたい.
先日一通の手紙を受け取った.差し出し人は,10年にわたり理学療法士として療育を担当した重症心身障害の男児の母親であった.患児は1994年4月に新設された地元養護学校へ分校からの編入が決まり,家族や学校関係者らもその日を心待ちにしていた.1994年3月20日,てんかんの重積状態と肺炎による呼吸障害により彼は,突然この世に別れを告げてしまった.
わずか10年の人生,その間理学療法士として彼に対し何を成しえたのか,また彼にとって母親の存在がどのようなものであったかを彼との出会いから振り返ってみながら,重症心身障害児の療育の原点について考えてみたい.
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