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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル29巻3号

1995年03月発行

文献概要

特集 疼痛

急性疼痛と理学療法

著者: 浦辺幸夫1 川口浩太郎1

所属機関: 1広島大学医学部保健学科理学療法学専攻

ページ範囲:P.168 - P.174

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 Ⅰ.緒言

 理学療法はさまざまな効果を期待して行なわれるが,目的によって簡単な項目に分類すると表1のようになる.これらの項目はいずれも単独に解決されるのではなく,それを主な目的におきながらもグローバルにあるいは全方位的視点からの理学療法で改善されるのである.この意味から相互の項目がリンクしていることを前提として理学療法を行なうべきことが原則となる.

 本論文のテーマである痛みに対する理学療法についても同様である.痛みがあると身体の運動にも大きな影響がもたらされる.図1に痛みが身体機能にもたらす悪影響について考えられるものを表わした.先の表1のほとんどの項目と痛みがリンクしてくるのがいっそう明確にわかるだろう.

 筆者らは数年来スポーツ外傷の理学療法に携わってきた.そのなかで急性外傷に伴って発生する痛みを如何にコントロールするかが,スポーツ復帰までの期間やそのタイミングに関係し競技成績を左右することを目のあたりにしてきた.また,スポーツ選手が医療機関を訪れる第一の理由が「痛み」であることも事実である.本論文では,急性疼痛と理学療法と題してわれわれがスポーツ現場でどのように痛みに対処しているかを紹介しつつ,理学療法の在り方を再考したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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