icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル29巻4号

1995年04月発行

文献概要

プログレス

麻痺性斜視の治療

著者: 大平明彦1

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.265 - P.265

文献購入ページに移動
 1.麻痺性斜視とは

 両眼の視線が平行にならず,一眼は見ようとする方向を見ていても,他眼がその方向よりも内方,外方あるいは上下方向にずれて見ている状態を斜視と言う.眼球が上下・左右いずれかの方向に充分動かないために視線のずれを生じる場合を麻痺性斜視と言う.このような眼球運動制限は無いが両眼の視線を同一方向に保つことができなくて視線がずれてしまう場合を共同性斜視と呼び,単に斜視と言えば通常こちらを指している.眼球運動は眼球壁に付着する外眼筋の収縮と弛緩とにより行なわれる.外眼筋の他端は眼球を取り巻く円錐状の骨壁(眼窩骨)それも大部分は眼球よりもさらに奥の眼窩尖端部に付着しているいる.

 眼球運動制限を生じるような疾患は種々あり,先天性のもの,眼球周囲軟部組織の異常,外眼筋自体の異常や外眼筋支配神経自体の異常によるものなどが挙げられる.麻痺性斜視の状態では,視線ずれによる複視(ものが二つに見える.)や,麻痺方向を注視しにくいということに患者は悩まされる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら