文献詳細
とびら
文献概要
20年以上も前のことになるが,理学療法を志す前に他の領域で学んでいたことがある.そのころには自分の学んでいることにさしたる興味も無く,むしろ無味乾燥な学問と感じていたことを思い出す.ややうんざりしていたから,テストをパスする程度の勉強の仕方で理解はそこそこ,定着の程度は低く,時間も過ぎてあまり記憶に残つていない.ところが,今ごろになってその当時やっていたことが少しづつおもしろくなってきている.ヒトの動作に関係したものを読むうちに,自然科学の知識無しには読み進めなくなってきたのがきっかけである.今では色の変わってしまっている数学や物理学のテキストを眺めながら,当時感じていた無味乾燥さとは違うおもしろさを感じている.初めは必要に迫られて,また,便利さに気付いて始めたのであったが,しだいに必要とは別に興味が拡がっていく.あらためて,その整然と整理された美しさのようなものを感じている.
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