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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル29巻5号

1995年05月発行

文献概要

特集 外来理学療法の再検討

外来理学療法が長期化した患者の再検討

著者: 辻下守弘12 鶴見隆正12 川村博文1

所属機関: 1高知医科大学附属病院理学療法部 2広島県立福祉短期大学理学療法学科

ページ範囲:P.317 - P.322

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 Ⅰ.初めに

 我が国の年間外来患者数は,約63万人(1993年厚生省調査)であるとされ,入院患者数とともに年々増加する傾向にあり,国民医療費の高謄を助長する大きな要因となっている.また,一日の平均外来患者数は,人口10万人当たりの全国平均が約1700人(1992年厚生省調査)であるが,当院の所在地である高知県は約2700人と全国第一位であり,人口当たりの外来患者数が全国で最も多い県であると言える.

 外来理学療法患者数の増加は,理学療法士にとって診療業務の負担が大きくなることを意味しており,患者への診療サービスの量と質の低下につながる重大な問題である.一条1)によると,このような外来患者の増加の原因は,新患患者の増加にあるのではなく,ほとんどの場合,既在外来患者の通院日数が長期化していることによると分析している.したがって,外来患者数の増加を抑えるためには,外来患者の長期化を防ぐことに重点を置くべきであることがわかる.

 そこで,本稿では,外来理学療法が長期化した患者の経緯を医学的,心理学的,社会学的な側面から分析し,外来理学療法を長期化させる原因と今後の対応とについて検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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