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関節固定が筋肉コラーゲンに及ぼす影響―ラットのヒラメ筋におけるコラーゲンの生化学的分析
著者: 須釜聡1 立野勝彦1 灰田信英1
所属機関: 1金沢大学医療技術短期大学部理学療法学科
ページ範囲:P.345 - P.348
文献購入ページに移動長期間の不動や外傷などにより関節拘縮を生じ,関節可動域に制限を呈した患者の理学療法を経験することはきわめて多い.また,関節拘縮に対する理学療法としては,物理療法などを併用した関節可動域訓練や持続的伸張手技などが一般的に行なわれており,その効果についての報告も多々あるが,軟部組織の分子レベルにまで及んだものはほとんど見当たらない.
一方,関節拘縮の発生機序やその主な原因と考えられる関節周囲の軟部組織の変化については,組織学的および生化学的に考察されており1-5),特に,生化学的考察としては関節周囲の軟部組織を構成しているコラーゲンが,その組織の弾性に大きく関係していると言われており3,5),コラーゲン分子に形成される架橋結合が影響しているのではないかと考えられている3-5).
これらのことから,軟部組織のコラーゲンを分析することは,理学療法にとって関節拘縮の評価や関節拘縮に対する理学療法手技の効果判定などの一助になるのではないかと考えられる.
そこでわれわれは,まず基礎的実験として,関節固定が関係する筋肉のコラーゲン線維にどのような影響を及ぼすのか生化学的分析を用い検討することを目的として実験を行なった.その結果若干の知見を得たので報告する.
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