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特集 運動発達障害;新生児からのアプローチ
発達障害児の診断と評価
著者: 北原佶1 河野義恭2
所属機関: 1北九州市立総合療育センター 2北九州市立総合療育センター小児科
ページ範囲:P.364 - P.370
文献購入ページに移動WHOが1980年に障害を機能障害,能力低下,社会的不利の三つの概念に分けることを提唱して以来,「障害」の理解は深まってきた.しかし「発達障害」になると状況は異なっている.発達障害という言葉は,精神発達遅滞と同義語として用いられたり,子どもの心身障害と同義語だったり,運動や言語の発達の遅れや偏りに運動発達障害,言語発達障害と表現したりで,明確な規定をせずに便利な言葉としていろいろな意味で用いられている.
アメリカの発達障害サービス法のPL94-107(1975)では,発達障害を精神遅滞,脳性麻痺,てんかん,自閉症として疾患を限定しており,年齢規定も18歳以前に生じたものとしている.一方PL95-602(1978)では,疾患規定は無くなり「精神もしくは身体の機能障害あるいはその二つの合併に起因するもの」という内容になり,年齢規定では22歳までに障害が現れたものとなった.
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