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講座 理学療法教育論・6
卒業研究課題の意義
著者: 濱出茂治1 堀秀昭2 奈良勲3
所属機関: 1金沢大学医療技術短期大学部理学療法学科 2福井医療技術専門学校理学療法学科 3広島大学医学部保健学科理学療法学専攻
ページ範囲:P.399 - P.402
文献購入ページに移動近年における理学療法教育課程の四年制移行のテンポは急速で,1995年度で国公立,私立を含めて9校が設置または設置予定である.これらの四年制大学では研究方法に関した授業科目が従来に増してかなりのウエイトを占め,これまで重視されてきた臨床実習との比率の上で6:4の割合で研究課題に関する研究方法論や卒業研究などの授業時間数が組み込まれている.このような研究課題を重視した教育体制は今後,大学院教育が導入されていく過程でさらに進展していくと予想される.
このような急激な教育環壤の流れに対して,現行の三年制教育体制の中でも研究課題に関する教育の必要性が叫ばれ,これまで多くの養成校で研究課題に関する教育は進められてきた1,2).しかし,それはあくまでも良き臨床理学療法士になるための教育であって,理学療法研究者育成を目的としたものとは言えなかった.今後21世紀に向かって理学療法が科学として発展していくためには,卒前・卒後教育における一貫した研究課題に対する教育目標を見いだしていく必要がある.そこで本稿では研究課題の現状における問題点を整理し,研究課題教育の意義とその在り方とについて検討を加えてみたい.
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