文献詳細
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印象に残った症例
24歳で下肢4関節に対し人工関節置換術を行なった慢性関節リウマチ患者の理学療法および追跡調査
著者: 得丸敬三1
所属機関: 1松山赤十字病院リハビリテーション課
ページ範囲:P.403 - P.407
文献購入ページに移動慢性関節リウマチ(以下,RAと略.)患者の中には急速な関節破壊のために,若くして人工関節置換術を余儀なくされる例がある.このような患者の場合,その多くが複数関節に対する手術となり,さらに手術関節以外にも障害をもつため,一般的な術後プログラムでは対応できない.また若年齢であることが将来に対する不安や焦燥感などを招き,精神的にも不安定な状況となる.これらのことは術後の理学療法施行上大きな阻害因子となり,ひいては経過や結果に悪影響を及ぼすこととなる.さらに長期的にみた場合,徐々に運動機能やADL能力の低下などを来すことが多いと思われる.
本稿で紹介する患者は術後10年になるが,運動機能の低下が認められないばかりか,QOLが高く,入院中および退院後の理学療法が非常に良好であった症例と考えられる.そこで,本症例に対して行なった理学療法を紹介するとともに,RAに対する手術後の理学療法について,若干の考察を加え述べる.
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