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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル29巻7号

1995年07月発行

文献概要

特集 関連領域―頭頸部の障害とリハビリテーション

音声障害

著者: 山口宏也1

所属機関: 1東京専売病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.446 - P.451

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 Ⅰ.はじめに

 会話は言葉のキャッチボールといわれている.相手の言葉を耳で聴取し,時には視覚を通して話の内容を理解し,それに対する答えを考えて,声を出して言葉としてコミュニケーションを図る.この一見なにげないような会話という動作のなかには,①相手の言葉を聞き取り,②言語を理解する能力,③返答すべき内容を準備し,④発声器官に命令する能力,⑤声に出して(voice),相手に分かりやすい話し言葉(speech)で,しかも⑥意味のある言葉(language)で返事をする能力が集約されている.この一連の動作には,⑦子どものときからの学習と反復訓練が必要である.①の障害を聴覚障害,②③④⑥の障害を失語症,⑦の障害を言話発達遅滞と呼ぶ.

 ここでは,⑤に相当する発音・発語および構音のなかでも,主に発声に関連した解剖,生理およびその障害と治療について述べたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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